MEDITATION(1)

瞑想が私たちに与えてくれるのは気分転換だけではありません。人は誰もが自分の内側にエネルギーと安らぎと知恵とパワーを秘めていて、一度瞑想を体験すると、そのパワーを使えるようになります。このパワーはポジティヴに生きる人に活力と希望と強さを与えます。あなたはまだこの内なるパワーに気づいていないか、あるいはそのパワーを誤解しているかもしれません。それはまるで、都会に出てきたばかりの田舎者が、壁にある奇妙な装置の使い方を知らずに真っ暗な部屋の中にいるようなものです。電気の明かり、つまりそのパワーはそこに存在していて、自分をその流れにつなげさえすれば、誰でも利用することができるのです。この知恵の源を「真我」といいます。真我とは、個人の心や体のことではなく、人々の意識の根底にある、真理を知っている部分のことです。人は誰でも真我を持っています。そしてそれは独立した存在です。その名称は、「無限意識」、「聖霊」、「普遍的精神」、「愛」、「理解を超える平和」、「絶対的存在」、「ブッダ」、「キリスト」、「アッラー」、「ブラーマン」、「神」など様々ですが、呼び方は違っても、どれも全生命を支配するたったひとつの究極的存在を意味します。私たちの心で真我を理解することはできません。無限の存在を定義して説明することは不可能だからです。自分で直接体験する以外、その存在を理解することはできません。瞑想の練習を続けることで、心を静めて直感力を発達させ、この究極的存在の一部に触れること、それが安らぎと思いやりと喜びと理解を得る方法なのです。ヨガでは私たちの思考や感情を、湖面のさざなみに例えてこう言います、「さざなみが立っていない時にだけ、湖の底にひっそりと沈んでいる高価な宝石を見ることができる」と。