3 ヨガは、さまざまな宗教、哲学の源流

 紀元前の遠い昔に、ヒマラヤの聖によってつくり出されたヨガは、民衆の心に本質的なやすらぎを与え、人々を幸福に導くという実践的な課題を担って発達してきました。
 紀元前五世紀頃の誕生の仏教はヨガのはるか後に生まれたものであり、その仏教から五百年近く経って、キリスト教が誕生しています。
 仏教、ヒンドゥ教、キリスト教は、ヨガを見習い、十分に研究することにより成立した宗教であり、また、ヨガの修行によって得られた知恵や哲学が、ずいぶん取り入れられています。
 また、東洋哲学や鍼灸カイロプラクティック、催眠術、自律訓練法なども、その源泉はヨガであるといっても過言ではありません。
 さらに、ヨガと同じ頃に誕生した医学知識をもとに編纂されたインドのアユル・ヴェーダは、ずっと後になって出てくる東洋医学の「体液の乱れ」という思想をすでに踏まえた医学であり、世界の医学の源流となっています。
 按摩や鍼、動植物・鉱物から作った薬の投薬方法、断食、食養のこまかい注意、ニンニクの効用、整体整骨などは、このインドのアユル・ヴェーダを源泉とするものです。
 そのアユル・ヴェーダには、宇宙の最高原理の働きや宇宙の生気である呼吸についても詳細に説かれていることから、ヨガは、アユル・ヴェーダにも、大きな影響を与えたといってよいでしょう。

引用:瞑想でキレイになる